一等三角測量とは

一等三角測量とは

画像:大三角点標石

一等三角点の前身となる内務省の大三角点標石:雲取山(角田篤彦氏撮影)

新潟県の米山山頂にも現存が確認されている。


一等三角測量、それは日本全国をおおう地形図(国土の基本図)を作成することを目的として始められました。

画像:基線測量図

一等三角測量は、正確な長さが測定された基線を設けることから始まります。基線は3kmから10kmという直線と平坦な地域が確保できるところを選び、4mから25mの伸縮の少ない正確な物差し(基線尺)を使用して、その長さを慎重に測りました。

特に温度による伸縮を少なくするため、明治末期までは氷漬けにして温度を0度に保った基線尺を使用したといわれます。

この基線の正確な長さと両端での角の観測をもとに、次第に順次大きな三角形を作り、40kmほどの間隔で全国をおおう三角点を設置します。

これが一等三角点(一等三角本点)と呼ばれるものです(一般には、その後25km間隔の密度になるように設置された一等三角補点を含んで、一等三角点と呼ぶことが多い)。

その後、二等、三等と順次高密度に三角点を設置して、地形図の作成が始まります。