地図ならびに地理作品展

第54回(平成27年) 広島地区 主催:広島県地理作品展運営委員会

作品展の概要

「地図ならびに地理作品展」は、小・中・高・特別支援学校等の児童生徒に地図ならびに地理作品の制作を通して、地図に対する正しい理解を持たせると共に、それを活用する能力を身につけさせることを目的に毎年9月に開催されています。
作品:危県!広島県 

国土交通大臣賞/国土地理院長賞

作品名:危県!広島県 "県内ワーストワン広島市!"

受賞者:広島市立大州中学校 3年 熊谷 彩

作品主旨:広島県は急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流数ともに全国最多であり、県内の市町村別では広島市が1位となっている。

昨 年の土石流災害では、土砂災害特別警戒区域以外でも被害が出た。要因として花崗岩の風化(まさ土化)や山林を切り拓いての宅地化がある。模型上に花崗岩の 分布と急傾斜地崩壊危険区域・主なニュータウンを合わせ危険な地域が一目でわかるようにした。まさ土化を止めることは難しく、砂防・治山・水路整備も遅れ ている。一人ひとりが防災知識を学び、学区ごとで防災能力を高めていく必要がある。広島市が災害に強い市1位となり、災害死0となることを強く願う。さら に研究をし、防災に繫がることを見つけたい。


作品:みんな14、15歳だった -原爆で亡くなった私たちの先輩-

広島市長賞

作品名:みんな14、15歳だった
       -原爆で亡くなった私たちの先輩-

受賞者:比治山女子中学校 1年(59名) 酒井 葉(代表)

作品主旨:私たちは、これまでにいろいろな平和学習をしてきました。この地図は、それを生かし、戦争の、核兵器の恐ろしさを伝えたいという思いで作りました。放課後の少しの時間を使って手伝った人もいます。地図を作っているときに、自分たちとあまり変わらない年の先輩が先生を含めて75名がなくなったという事実を受け止めながら、もう繰り返してはいけない、自分にできることは何か、一人一人がそんな思いを込めて作り上げた中学一年全員の決心を表した作品です。


作品:広島の雁木 -発展を支えた先人の知恵-

広島市教育委員会長賞

作品名:広島の雁木 -発展を支えた先人の知恵-

受賞者:広島市立白島小学校 6年 瀧宮 悠太

作品主旨:僕が住む広島市内の6本の川には、たくさんの雁木を見ることができます。それらの雁木が作られた目的や歴史を調べ、実際に自分の足で雁木を探して周りました。その結果、雁木は広島の地理的特徴を活かして造られたものであること、また、当時の輸送手段であった舟運に大いに役立っていたことが分かりました。いつも何気なく生活している町の中には、その発展を支えた先人の知恵が、たくさんあるということに気づきました。


作品:平和への願い -世界の声-

国土地理院長賞

作品名:平和への願い -世界の声-

受賞者:広島大学附属小学校 5年 栗矢 紗良

作品主旨:被爆地広島で生まれ育った私は、戦後70年の節目の年に、平和について考えてみました。夏休みを利用して、二つのことを計画しました。一つ目に、広島を訪ねている外国の方へ、平和への意見調査のアンケートを実施しました。世界の多くの人が平和を願って、広島に来ていることを知りました。二つ目に、広島市内に残っている被爆樹木を訪ねました。戦争の怖さを無言で語っている被爆樹木は、二度と同じ過ちを繰り返さない為にも、記憶として語り継いでいく事が大切だと思いました。この作品は、平和への願いを込めて地図と写真でまとめました。多くの人に、世界の人達の気持ちや、被爆樹木の存在を知ってもらえたらうれしいです。


作品:寺院からひも解く 城下町・廣島の変遷  ~「正保城絵図 安芸広島城絵図」から考える ~

日本地理学会賞

作品名:寺院からひも解く 城下町・廣島の変遷
      ~「正保城絵図 安芸広島城絵図」から考える ~

受賞者:ノートルダム清心中学校 2年 奥原 理映子

作品主旨:私の住む広島市は、かつて城下町として栄えました。ある番組を見たことをきっかけに広島市には、どれくらい昔の名残が残っているのだろうと思い、江戸時代の地図と現在の地形図を持って街を歩き、変遷を調べました。江戸時代の地図には寺院が多く、現在の地図と照合する際の目安にしました。

結果、予想以上に江戸時代の頃の街の作りや地形の名残があることが分かりました。様々な歴史を経た広島市ですが、この結果は意外で驚きました。


作品:登ってみんさい弥山 宮島弥山登山4コースを探る!!

広島県知事賞

作品名:登ってみんさい弥山 宮島弥山登山 4コースを探る!!

受賞者:広島大学附属東雲中学校 3年 樋口 柚利子

作品主旨:私の家族は、四季折々の違った表情が見られる宮島が大好きです。特に、瀬戸内海が見渡せる弥山山頂は、みんなのパワースポットです。ですが、山頂への登山は、家族それぞれ好きなコースがあり、意見が分かれます。そこで、今回それぞれのコースを私なりに比較してみたいと思い、次の3つのことを調べました。

[1]宮島全体の地形から積層模型をつくる

[2]コースの勾配や地形図を利用して、移動距離と標高の関係のグラフをつくる

[3]コースの特色や景色、案内表示などを調べる

[1]からは登山道が主に谷を通っていることがわかり、[2]のグラフからコース全体の勾配が視覚的によくわかり、[3]から目的に応じてコースを選ぶことができるようになりました。この作業を通して、コースへの理解が深まり、宮島がますます好きになりました。


作品:京ばし川のけんきゅう

日本地理学会賞

作品名:京ばし川のけんきゅう

受賞者:安田小学校 3年 大下 れい子

作品主旨:わたしの通うやす田小学校のうらを流れる「京ばし川」は、学校のすぐ近くからはじまっています。地図を見ると、下りゅうに「京ばし」というはしや、色んな名前のはしがあることに気づきました。わたしは、全部のはしを見たくなり、夏休みに、京ばし川のけんきゅうをすることにしました。

八月八日、朝七時に一番上りゅうの「新こうへいばし」を自てん車で出ぱつして、ねっ中しょうに気をつけながら、十六本のはしや、川ぞいにあるゆう名な場所を調べました。十一時に、さい後の「うじなばし」についた時の、気持ちのよい海風と、きれいなけ色はわすれられない、夏の思い出です。

後で、じっさいに見たことや本で調べた事を、はしは水色、けしきは黄色、ゆう名な場所は赤と、わかりやすく色分けし、川の地図のまわりにくふうしてはりました。