第17回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(連絡協議会長)

第17回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(連絡協議会長)

オンリーワンの地図づくりを楽しもう

全国児童生徒地図優秀作品展は,全国15の加盟団体と特別参加の1団体から推薦された地図作品を一堂に集め,地図を使った教育や児童生徒の地図についての取り組み方などを広く紹介し,より一層の地図の普及啓発を促進する目的で開催されるもので,今年度で第17回を迎えました。

過日東京での大臣賞受賞作品の表彰式に出席させていただきました。太田昭宏国土交通大臣より直接賞状を手渡された児童生徒はもちろんのこと,ご列席の家族の方々にも励ましの声をかけていただき喜び一杯の表彰式でした。

初めから大臣賞を目指して地図作品をつくる児童生徒はいません。でも作品の良さを多くの人が見いだし,全国展まで推薦されることで本人はもとよりご家族もそして指導者も大きな喜びと自信を与えられたものと確信いたしております。

このような機会を準備していただいた国土地理院の皆様に敬意を表すると共に加盟団体を代表して,児童生徒たちに地図づくりの指導を一層広げていくよう新たに決意した次第です。

 

今回,推薦された作品に共通していることは,自分だけのテーマをしっかり設定していること,何を記録したいのか,何を伝えたいのかが明確にされていること。テーマ設定の着眼点がすばらしいことでした。

地図をつくる作業は,時間と共に変化する地上の様子を写真として残すのと同じですが,つくる人によってまったく異なる姿を記録します。言ってみればオンリーワンの地図づくりとなることです。

同じ地域を取り上げてみても各自の興味関心で異なるのは当然でしょうし,同じ人物であっても小学校の時と中学校や高等学校での時で変化が見られるのも容易に想像できます。地図をつくりながら自分の興味関心も記録するわけです。このように,各自が自分だけのテーマを持って見た地上の姿を素直に地図にすることは,大きな意味があります。

自分でテーマを設定し,資料を集めたら,わかりやすく工夫・表現するなかでここにも各自の個性が見えてきます。見る人にとってわかりやすい地図を目指すことで表現力を育成し,最終的には確かな社会認識を培うことにつながります。

自由に自分のテーマを設定した地図づくりを,これからも多くの児童生徒に続けてほしいと期待しています。

ご指導の先生方や保護者の皆様には,これからも児童生徒の独創性に富み,工夫を凝らした魅力のある地図づくりをご指導願えればと思っております。 

 

平成26年2月
全国児童生徒地図作品展連絡協議会
会長 川村英一