第12回全国児童生徒地図優秀作品展ごあいさつ(全国児童生徒地図作品展連絡協議会会長)

ごあいさつ(全国児童生徒地図作品展連絡協議会会長)

地図とは、「自然や社会のなどの様々な事象を、ある目的のもとに組み立て直したもの」です。例えば、動物園の入口などにある“園内図”や電車の進路や停まる駅を示した“路線図”なども立派な地図です。見る側を意識して、伝えたいことや大切なことをクローズアップして表現しています。

第12回を迎えた「全国児童生徒地図優秀作品展」に集まった作品は、どれも素晴らしい地図ばかりでした。一人ひとりの思いや苦心したことが、作品から伝わってきたからです。

 

ところで、地図づくりの魅力って何だと思いますか。私の考えでは、次の三つです。

一つめの魅力は、「自分だけのテーマを設定できること」です。生活している中で、学習している中で、疑問に思ったことや調べてみたいこと等をそのまま調べて地図にすることができるのです。このことをもっと詳しく調べたいという思いを自由にテーマとして掲げることができるのです。

二つめの魅力は、「個性的な調査・分析・表現ができること」です。みなさんがつくり出す地図は、どれも大変魅力的です。それは、一人ひとりの感性や力で生み出された作品だからです。身近な地域から広く世界中までの様々な事象に浸り、独自の方法で丹念に調べて、得られた事実を分析して個性的にまとめていく。そのような過程を一人ひとりが経験できるのです。

三つめの魅力は、「力を伸ばすことができること」です。みなさんは、地図をつくる過程を通して、自然や社会をもっと身近に感じ、具体的に捉えることができるようになります。そして、ものの見方や考え方が育ち、確かな社会認識を培うことになるのです。

このように地図づくりは、とても魅力的な作業です。自分の思いを適切に伝えられ、人の心を惹きつける地図づくりをこれからも続けてほしいと願っています。

 

最後になりましたが、本作品展のために、ご理解とご協力をいただきました関係者の皆様に、厚くお礼申し上げます。

平成21年2月

全国児童生徒地図作品展連絡協議会

会長 長谷部 政行