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5 GPS&GIS時代の位置の基準

 位置情報の技術は、近年、長足の進歩を遂げました。特に、GPSとGIS(地理情報システム)の出現は、これまでの測量や地図の世界を根底から変える可能性があります。これらの技術は、ここ数年で相当普及してきましたが、本格的な利用はむしろこれからで、両技術が融合されることにより近い将来爆発的に利用が進むものと予想されています。

 GISでは、ものの位置をすべて座標値で表現します。

 例えば、水道管やガス管等のライフラインは、従来は紙媒体の地図で管理されてきました。あるパイプが別のパイプからどの方向に何cm離れているというようなことが地図に書き込まれており、これを人間が読み取ってパイプの位置関係を理解することにより、施設の管理を行ってきたのです。
図:GPS&GIS時代の位置の基準

 この場合、GISでは、コンピュータが扱いやすいように、それぞれのパイプの位置を座標値で表示しておきます。そして、2本のパイプの位置関係は、座標値から導き出すのです。このようにものの位置を座標値で表現した場合、座標値が正確でなければ、パイプ相互の位置関係を誤る恐れがあります。GISにはいろいろな種類があり、必ずしも高い精度を必要としないものもありますが、ライフライン等の施設管理用のGISでは数cmの精度が必要になります。また、ライフライン網は1つの都市だけで閉じていません。したがって、GISを用いて隣接する都市をまたがって支障無く施設管理を行うためには、広域にわたって高精度な位置情報が必要になるのです。

 このことから、測地基準点成果がGISの基礎として使えるものであるためには、第一に、全国にわたって極めて高い精度を保持していることが必要であることが分かります。

 これらのライフラインは、空港や港湾にも接続していることでしょう。航空機や船舶はGPSが利用され世界測地系に基づいて運行されることがほとんどですが、空港や港湾施設のGISにおいて、世界測地系で施設の位置を表示しなければ混乱を起こす原因となることも考えられます。

 GISが普及すると、GISのネットワーク化、データの共有化・分散化がどんどん進みます。そうすると、初め国内のことだけを想定して作られたGISであっても、やがて国際的な関係がある他のGISと繋がりが発生して来る可能性が十分あります。

 このことから、測地基準点成果がGISの基礎として使えるものであるためには、第二に、世界共通の座標系である世界測地系に基づいていることが必要であることが分かります。
図:GISのネットワーク化、データの共有化・分散化

 日本測地系に基づく測地基準点成果は、残念ながら、GPSとGIS時代の測地基準点成果に要求されるこれら二つの条件を満たしていません。したがって、新しい測地基準点成果を構築し世界測地系に移行することが必要です。

 そして、GPSについては、最近、単独測位方式でも数mの精度で位置を求めることができるようになってきました。また、GISについては、今後社会の幅広い分野に普及し、数年の内に急激に数値地図データベースが増加すると予想されます。

 したがって、GPS及びGISが爆発的に利用されるようになる前に、世界測地系に移行し、実際に適用できるようにすることが必要なのです。
図:GPS及びGIS


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