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地理院ホーム  > 測量法  > 世界測地系の導入に関して  >  世界測地系移行の概要  > 1 概要  

1 概要

地球上の位置を経度・緯度で表わすための基準を測地基準系(測地系)といい、地球の形に最も近い回転楕円体で定義されています。経度・緯度は、この回転楕円体(地球楕円体)の上で表示されています。

そして、個々の土地の経度・緯度が精度良く、効率的に求められるように、位置の目印になる基準点を全国に多数設置し、測量によってこれらの基準点の経度・緯度を求めています。この基準点の位置を表わす経度・緯度の数値を測地基準点成果といいます。従来、我が国は、明治時代に5万分の1地形図を作るために決定した回転楕円体(いわゆるベッセル楕円体)を位置の基準としており、測地基準点成果もこの回転楕円体に基づく値が求められ使用されてきました。この、従来使用されてきた測地基準系を日本測地系といいます。

一方、電波星を利用したVLBI(数十億光年の彼方にある電波星から届く電波を電波望遠鏡で受信して数千kmもの長距離を数mmの高精度で測る技術)観測や人工衛星観測により現代の科学的知識に基づいて設定された、世界共通に使える測地基準系を世界測地系といいます。世界測地系の楕円体の中心は、地球の重心と一致するように設定されていますが、日本測地系の楕円体の中心とは一致していません。

また、我が国の測地基準点成果は、明治時代の測量機器や測量技術による制約と過去100年間の日本列島の地殻変動の影響等で基準点網にひずみが生じています。例えば、東京から見て札幌の位置が西へ約9m、福岡の位置が南へ約4mずれていることが分かっています。

GPS(全地球測位システム)及びGIS(地理情報システム)というコンピュ-タシステムによる位置情報の測定・利用技術が出現し、今後急速な普及が見込まれています。そして、両技術に対応する基準として、世界測地系に基づいた、高精度な測地基準点成果及び地図成果が求められています。しかも、近い将来に予測されているGPSやGISの本格的普及を考慮すると、それ以前に、世界測地系に移行する必要があります。

国土地理院では、全国に電子基準点を整備し、世界測地系に基づく高精度な新しい測地基準点成果である測地成果2000を計算しました。測地成果2000は、現行の測地成果と比較すると、例えば東京付近で距離にして約450mの違いがあります。また、測地成果2000では、日本測地系による基準点網のひずみが解消されています。

世界測地系を適用するため、平成13年6月12日に測量法の一部が改正され、平成13年6月20日に公布されました。この法律改正は、平成14年4月1日から施行されることが決まっています。また、測量法施行令の一部を改正する政令により、我が国の経度・緯度を世界測地系に変更するのに必要な数値が定められました。

改正測量法の施行により、地方自治体等が行う測量や、地図・GIS用地図データベースの作成、法令・告示の経度・緯度表示などについては、世界測地系に基づくことになります。また、必要に応じて既存データの変換等が必要となります。

しかし、地方自治体が持っているデータのすべてを一度に改正測量法の施行日に変換しなければならないというものではありません。新たな測量計画や今後とも維持する必要のあるデータ等を考慮して、必要なものを計画的に順次変換すれば良いことになります。


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