測量・地図ミニ人物伝:吉田東伍

「測量・地図ミニ人物伝」 

 

吉田東伍
(1864-1916)

 

画像:吉田東伍

 

 東伍(とうご)は、現在の新潟県安田町の生まれで、小学校を卒業したあと、新潟の英語学校で学び、小学校の先生になりました。

 

 子供のころの東伍は、読書や勉強が好きで、両親からは、「人は、何よりも食べることや着ることが先」だよと、本を読むより、汗をかいて働きなさいといわれたようです。

 

 特に歴史や地理が好きで、17歳の時には安田町の歴史を「安田志料」という本として、書き始めました。その後、先生をやめ新聞社につとめましたが、そこでも、歴史などの論文(ろんぶん)をたくさん発表しました。最大の功績(こうせき)は、文字数1200万という「大日本地名辞書」を13年間かけて作成したことです。この地名辞典ができたときのパーテイの客は、積み上げられた原稿(げんこう)の多さにおどろいたといいます。

 

 この地名辞典は、明治時代の日本の地名を研究する人、地名のルーツを研究する人などに、今でも利用されています。東伍はこのほかにも多くの本や論文を出していて、その数は300編をこえていますから、三十年の間、月に一編の割合で発表したことになります。