GISを活用した道路交通騒音の面的評価支援システムの開発

中央復建コンサルタンツ株式会社の研究成果

中央復建コンサルタンツ株式会社

1.目的

 新しい「騒音に係る環境基準」が平成11年4月1日から施行されたことに伴って、道路交通騒音の評価方式は、測定点をベースとした点的評価から、当該地域内の全ての家屋等をベースとした面的評価に変更された。
 本システムは、道路交通騒音の面的評価に要する膨大な調査・作業に対して、GISを活用し、数値地図等に基づく推計条件の自動生成を行う等により、面的評価を効率的に実施することを目的として開発したものである。

2.実施内容

 道路交通騒音の面的評価においては、道路見通し角や建物立地密度といった各種空間指標の整理、環境庁報告の帳票に含まれる建物属性の整理、「評価区間騒音マップ」等の結果出力等、地図を使った手作業や表計算ソフトによる処理では煩雑となる。これらの膨大なコストや時間を要する作業は、GISを活用することにより、大幅な省力化を図ることが可能となる。具体的には、本システムにおいて活用しているGIS機能は、1.空間計測、2.空間検索、3.バッファ生成、4.オーバーレイ演算といった機能等が挙げられる。なお、各機能による処理イメージは、表1に示すとおりである。
 さらに、本システムでは、GISアプリケーションをユーザーインターフェイスとし、簡便なデータ入力及び出力設定画面を設計しており、これに基づいて、データ入力・計算・出力を一連の簡易な操作により実施することができる。

表1 GIS機能による処理内容
GIS機能 処理内容
空間計測 推計点における道路見通し角の算定等
空間検索 建物立地密度の算定等
バッファ生成 評価対象範囲(沿道50mの範囲)や環境基準の地域類型の設定
オーバーレイ演算 用途地域ベースマップとの重なり合いによる各建物に関する環境基準の地域類型の整理町丁目コード等のその他建物属性データの整理

3.成果

 本システムによる推計・評価結果の出力例は、図1に示すとおりであり、各建物ごとの騒音レベル、建物属性、その他付加情報等について、GIS上で色分け表示あるいはラベル表示等の図示を行う等、地図要素と属性を関連させてデータ管理及び活用ができる。

推計・評価結果の出力例

図1 推計・評価結果の出力例


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