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「長期計画」の推進状況に関する中間とりまとめ 要旨

内容

このページの目次

 地理情報システム(GIS:Geographic Information Systems)は、地理情報の編集、情報の総合化、業務の効率化等に資するツールとして期待が高まっている。
 国においては、平成7年9月に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議(以下「関係省庁連絡会議」という。)」を設置し、その標準化等を進めてきた。また「行政情報化推進基本計画(平成9年12月20日閣議決定)」においても、GISの効率的整備、相互利用の促進等が盛り込まれるなど、社会基盤としての基礎的な地理情報の提供への期待が高まっている。
 さらに、地方公共団体や民間においても、多様な分野でGISの導入が進み、将来的には、国民生活を支え、まちづくり、地域づくり、国土づくりへ住民参加を促すツールとしても期待される等、その利活用分野は拡大していくものと思われる。
 関係省庁連絡会議では、こうした動向を踏まえ、平成8年12月に取りまとめた「国土空間データ基盤の整備及びGISの普及の促進に関する長期計画(以下「長期計画」という。)」に基づき、平成8年度から概ね3年間の基盤形成期に行うべき諸課題について、精力的に検討を行ってきた。
 この「「長期計画」の推進状況に関する中間とりまとめ(以下「長期計画中間とりまとめ」という。)」は、各省庁連携の下、基盤形成期において取り組むべき課題に的確に対応するため、これまでの取組の状況、今後の課題及び取組の方向を、関係省庁連絡会議の作業部会報告として取りまとめたものである。

A.空間データ基盤

1.取組の状況

 空間データ基盤は、GIS整備に必要な国土に係る基盤的データであり、地図データ及び位置参照情報(I B参照)からなる。また、データ項目の検討に当たっては、各データ項目毎の利用頻度、入手の容易さ、信頼性、維持管理・更新の確実性を勘案する必要があり、関係省庁連絡会議では、この点も踏まえつつ、空間データ基盤作業部会整備方策検討ワーキンググループ(以下WGという。)及び標準化検討WGにおいて、その標準化を中心に検討を進めてきた。
(1) 空間データ基盤全体に共通する標準原案の作成
建設省国土地理院は、空間データ基盤全体に共通するデータの構造、品質、フォーマット、データ作成手法等について、ISOの動向と整合をとりつつ標準化を進め、平成9年度末に国内標準に資する原案を取りまとめた。
(2) 空間データ基盤の個別データ項目の標準化等に関する検討
空間データ基盤として標準的に必要とされる項目について、表 空間データ基盤作業部会における平成9年度調査・検討対象項目一覧のように取りまとめ、平成9年度地理情報システム(GIS)標準化モデル地区連携調査(国土庁及び建設省国土地理院が、標準化等の検討のため関係省庁の参画も得て、東京都新宿区、岐阜県大垣市、大阪府大阪市及び高知県宿毛市の4地区において連携して実施。以下「平成9年度モデル地区調査」という。)等を通じ、各データ項目のそれぞれについて、国、地方公共団体に保有されている地図等の詳細な調査を行った。

 

2. 今後の課題及び平成10年度における具体的取組

(1)全体に共通する標準案の作成
 国際標準等と整合した形で標準化を進めるため、平成10年度は、標準化検討WGにおいて9年度の国内標準原案をさらに検討し、標準案を作成する。
(2)各データ項目毎の標準案及び整備方針の作成
 データの整備状況やニーズ等は、データにより異なるため、データ項目毎に詳細な検討を行い、効率的・段階的に空間データ基盤整備を進める必要がある。
このため、平成10年度には、空間データ基盤整備方策検討WGに、必要に応じてデータ項目毎に関連データ整備主体を中心としたサブWGを設け、モデル地区における調査結果等を踏まえるとともに、地方公共団体及び民間との意思疎通を図りつつ、10年度半ばを目途に標準案及び整備方針案を作成する。
(3) 的確な品質評価の方法の検討
 国、地方公共団体、民間等異なる主体により整備されたデータの品質の的確な評価が重要であり、平成10年度にはデータ品質の評価の手法を検討する。
(4)空間データの整備状況等の把握
 地域毎のデータ整備状況について把握するため、平成10年度には、国、地方公共団体、民間が保有する空間データの項目や品質、地理的な整備範囲に関する調査を実施する。

B.基本空間データ

1.取組の状況

 基本空間データは、国土に係る統計情報等の空間データであり、空間データ基盤上で利用され、空間データ基盤と同様、各データ項目毎の利用頻度、入手の容易さ、信頼性、維持管理・更新の確実性を考慮して整備する必要がある。また、基本空間データを活用するためには、位置参照情報の標準化が不可欠であり、これらの課題について、基本空間データ作業部会基本空間データWGや、「平成9年度モデル地区調査」を通じて検討を行った。
(1)基本空間データの概念の整理
 GISの利用可能性を拡大させる上では、可能な限り行政が保有している統計・台帳等の相互利用を図ることが重要であることから、基本空間データの範囲は、できる限り多くの統計・台帳データが位置づけられるよう、「開放的」な概念ととらえ検討を進めた。
(2)行政が保有する台帳等の電子化の状況の把握
 行政が保有するデータをGISで利活用するためには、データの電子化が前提となるが、モデル地区の地方公共団体においては、概ね5割程度の台帳等についてデータの電子化を実施、または計画中であるとの調査結果を得た。
(3)位置参照の標準化に関する検討
 国土空間データ基盤として様々なデータを用いるには、これらを空間データ基盤上に結びつける必要があるが、この結びつけの手法が「位置参照」である。
道路・海岸線等の空間データ基盤は、経緯度等の座標値を有しているが、台帳データ等基本空間データは、通常、住所等の座標値によらない「間接的な位置情報」を有しており、間接的な位置情報に対応する座標値を空間データ基盤として整備すること、すなわち、「間接位置参照情報」の標準化及び整備が必要となる。
 間接的な位置情報としては、(1)土地・建物等、(2)区域、(3)交通ネットワークに関するものがあるが、モデル地区地方公共団体の台帳等を調査したところ、多くの台帳で、住所等を表す住居表示及び地番が用いられているとの結果が得られた。
住所は一般に広く用いられており、住所に対応した間接位置参照情報の整備は、GISの利用可能性を高める上で極めて重要である。しかし、実際には、土地には筆毎に地番が付され、建物については、住居表示実施地域では住居番号、未実施の地域では地番が使われる等、住所と土地・建物等の対応関係は、複雑であり、その実態についてモデル地区で検討した。

 

2.今後の課題及び平成10年度における具体的取組

(1)基本空間データ等の効率的・段階的な整備等
 各台帳等の整備主体が、当該台帳等を基本空間データとしてGISで利活用できるかどうか等を明らかにした上で、基本空間データの電子化を進めることが重要である。
このため、平成10年度には、基本空間データWGにおいて基本空間データの整備に関する検討を進める。また、関係省庁において所管する統計・台帳等を基本空間データとして整備することの妥当性等を明らかにするとともに、所管行政分野へのGISの利活用に関する取組を一層推進する。
(2)間接位置参照情報の標準化等
 平成10年度には、住所に対応した間接位置参照情報について、基本空間データWGの検討結果を踏まえ、空間データ基盤作業部会のサブWGにおいて、標準案及び整備方針案を示す。その他の間接位置参照情報については、整備の必要性等を含め、各データ整備主体において個別に検討を進める。

C.メタデータ

1.取組の状況

 メタデータは、データの種類、特性、品質、入手方法等情報の属性を示した情報であり、そのデータ項目の範囲及び書式等の標準化を行う必要がある。
 ISOからは1998年初めにメタデータ標準の委員会原案が提出される予定であり、国内でも、建設省国土地理院を中心に平成9年度に国内標準原案を作成しており、これらを踏まえ、標準化検討WGにおいて意見交換を行った。
 

2.今後の課題及び平成10年度における具体的取組

 ISOにおける標準化の検討は、1999年まで継続されるが、平成10年度には、標準化検討WGにおいて、国際標準案との乖離がないようメタデータ標準案を作成する。また、普及期におけるメタデータ整備の方針を作成するほか、500項目を超えるメタデータの効率的整備の可能性、整備方策等について調査を行う。

D.デジタル画像

1.取組の状況

 航空写真等から作成される画像、衛星画像等のデジタル画像のGISにおける利活用の可能性等について、基本空間データ作業部会デジタル画像WGにおいて検討を行った。
(1)航空写真は、高精度かつ詳細な情報取得を行うことができ、広く利用されているが、国土空間データ基盤として利活用するために必要な補正等がなされていない場合が多い。
(2)現在利用されているLANDSAT等の地球観測衛星から得られる衛星画像は、小縮尺で広域を扱う業務に利用されている。なお、今後実用化される予定の高分解能衛星についても、GISへの利活用を検討する必要がある。
 

2.今後の課題及び平成10年度における具体的取組

 デジタル画像については、データのオルソ化(正射投影変換:航空写真等が持っているひずみを取り除く処理)等の課題、流通を促進するためのデータ圧縮・通信技術等、さらに、地上写真、高分解能衛星画像等も含め、利活用の可能性を幅広く検討する必要がある。平成10年度には、デジタル画像WGを中心に、「平成10年度モデル地区調査」の結果や民間の意見等を踏まえ、利活用方策等を検討し、基本的方針を整理する。

A.クリアリングハウス

1.取組の状況

 メタデータを検索し、アクセスできる「クリアリングハウス」の構築に向けて、各省庁等においてパイロットシステムを構築し、その運用を通じてシステムの改良を行う必要がある。このため、基本空間データ作業部会管理流通WGにおいて、既に構築されたパイロットシステム等について検討を行った。

2.今後の課題及び平成10年度における具体的取組

 平成10年度は、管理流通WGにおいて、クリアリングハウスに係る多様な技術的課題について今後の取組の方向を整理するとともに、クリアリングハウスの構築・運用のあり方について、基本的な方針を整理する。また、引き続き、提供可能なデータを有している省庁におけるパイロットシステムの構築を推進する。

B.国土空間データ基盤に関連する制度的課題

1.取組の状況

 国土空間データ基盤の整備及び流通を実現する上で、制度的観点から方向性を示すことは、国の重要な役割の一つである。
 関係省庁連絡会議においては、基本空間データ作業部会管理流通WG等において、関連諸制度の現状把握及び検討課題の整理を行った。また、関連する制度が多岐にわたるため、GIS特有の新しいルールが必要な分野に焦点を当てて検討を進めることとした。
 

2.今後の課題及び平成10年度における具体的取組

(1)個人情報保護に関連する検討
 各データについて、個人情報保護に十分留意しつつ、提供の是非、提供方法等を、整備主体毎に明確化するほか、国土空間データ基盤全体を通じた個人情報保護のためのルール・体制、技術的な対応方策等についても検討していく。
(2)データ整備主体における電子化への対応に関する検討
 現在、法令等により地図作成を義務づけている場合の多くは、紙の地図を前提としているが、各データ整備主体において、電子データの原本性等についての検討が必要である。
(3)データ流通のルールと対価等のあり方の検討
 データの幅広い流通を実現するため、著作権の処理、対価、品質の評価・維持等に関するルール及び管理体制のあり方等について検討する必要がある。
 平成10年度には、以上の課題を中心に管理流通WG等において、管理流通の基本的枠組みに関する考え方を整理する。また、各データの提供条件、原本性等について、データ整備主体において、可能な限りデータの共有を図る方向で、基本的な考え方を整理する。

A.国土空間データ基盤整備に向けて

1. 国土空間データ基盤整備を巡る現状

 国土空間データ基盤の標準化及び整備の方針を具体化していくに当たっては、データ毎の整備状況等の条件の相違、急速な情報化の進展による状況の変化、高度情報通信社会への対応といった点に十分留意する必要がある。

2. 基盤形成期最終年の基本方針

 国土空間データ基盤整備は、長期的視野にも立ちつつ、状況の変化に的確に対応しながら進める必要があるが、他方、国土空間データ基盤整備への期待は一層高まっている。このため、平成10年度中に標準化を概ね完了させるとともに、効率的・段階的に整備を進めるため、整備計画を策定し、これに基づき必要な調整が完了したデータから迅速に整備に着手する必要がある。

3. 平成10年度における具体的取組

(1) 関係省庁連絡会議における取組
 各WG及びサブWGによるデータ項目別の標準及び整備方針案等に基づき、関係省庁連絡会議において、標準の作成及び整備計画の策定を行うとともに、管理流通体制に関する基本的な考え方を整理する。また、国、地方公共団体及び民間の相互の連携・調整を図り得る体制を普及期当初を目途に確立すべく、具体的検討を進める。
(2) 関係省庁連絡会議と連携した各省庁における取組
 関係省庁の共同・連携のもと「平成10年度モデル地区調査」を実施するほか、各行政分野におけるGIS利活用の可能性について、一層具体的に検討を進めるとともに、地方公共団体における先進的取組を支援する。

B.国土空間データ基盤を支える環境の整備

1.技術開発

 国土空間データ基盤は様々な技術に支えられており、必要な技術の早期の開発・実用化が望まれる。管理流通WGにおいては、民間の動向を踏まえ、技術開発面での課題を整理する。
 

2.人材育成

 大学・研究機関等における専門的技術者の育成や、行政における職員の情報リテラシーの向上等が重要であり、これらを踏まえた人材育成のあり方を検討する。
 

3.GISを取り巻く環境

(1)国における行政情報化の取組との連携
 「行政情報化推進基本計画」においては、GISの効率的な整備、相互利用の促進等を図るものとしており、行政情報化の動きと密接な連携を図っていく必要がある。
(2)地域における情報化の進展とGIS等
 市町村等が業務に用いるGISは、個人情報を扱う場合も多い等、提供を前提にした国土空間データ基盤と必ずしも同一ではありえないが、まず、地方公共団体内部においてGISの導入が進むことにより、データの電子化、ハード面等の環境整備につながることが期待される。
(3)情報通信インフラ整備の必要性
 国土空間データ基盤の流通には、 ネットワークインフラ等の総体的整備が不可欠であり、これらの迅速な整備が期待される。
(4)普及啓発
 国、地方公共団体及び民間企業のみならず、今後は国民一般におけるGISへの理解を高めることも重要な課題であり、住民の生活に密接に関わる分野を含めたGISの利用可能性、普及・啓発のあり方についても引き続き検討する。

 本「長期計画中間とりまとめ」に示した、基盤形成期に行うべき各般の取組を、地方公共団体及び民間との意思疎通に十分留意しつつ、関係省庁が連携・協力して的確に行うことが、普及期における国土空間データ基盤の円滑な整備を実現する上で必要である。

表 空間データ基盤作業部会における平成9年度調査・検討対象項目一覧


(空間データ基盤作業部会整備方策検討WG資料をもとに作成)
分類項目 データ項目 データを保有している省庁等
基礎的な地図情報    
  測地基準点 国家基準点、公共基準点、基本水準標、標高点、水路測量標 海上保安庁
国土地理院
地方公共団体
  標高、水深 格子点の標高・水深、島しょの標高 海上保安庁
国土地理院
  道路 道路区域界、道路橋※、横断歩道橋※、車・歩道界※、対面通行道路と一方通行道路の区別、キロポスト 事業主体
  鉄道※ 鉄道区域界、鉄道橋、跨線橋、停留所、プラットフォーム 運輸省
  河川、海岸線 河川区域界、水涯線、海岸線(自然岸線、人工岸線)、港湾区域界、湖沼、桟橋、防波堤 海上保安庁
事業主体
  公園等※ 公園 事業主体
  飛行場 運輸省
地方公共団体
  低潮線(干出線) 低潮線(干出線) 海上保安庁
交通ネットワーク    
  道路 道路中心線 事業主体
  鉄道 鉄道中心線 事業主体
  河川※ 河川中心線 事業主体
  海洋※ 航路 事業主体
区域データ    
  行政区画 都道府県界、北海道の支庁界、郡市・東京都の区界、町村・指定都市の区界 地方公共団体
  統計調査区 国勢調査基本単位区界、国勢調査調査区界、国勢調査町丁・字等界 総務庁
  土地 筆界等、農地境界※、森林区画界※ 国土庁
法務省
地方公共団体
林野庁
建物 公共建物および一般建物
宅地・敷地
地方公共団体
事業主体
位置参照情報    
  住所 地番、街区符号及び住居番号 法務省
地方公共団体
画像情報※ オルソ化されたデジタル画像 国土地理院
一部の都道府県

注) 上表の項目は、「中間とりまとめ」に基づき作成したものに、整備方策検討WGの検討並びに全庁型GISを導入した地方公共団体の例を参考に、整備方策検討WG事務局案として追加(※印)し、さらに関係省庁の意見に基づき加除訂正を行ったものである。

地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議の組織構成

(平成10年3月現在)

地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議の組織構成

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