宮城県北部を震源とする地震に対する対応〔最終報〕

平成15年9月16日  
国土地理院  
災害対策本部事務局  

 平成15年7月26日0時13分頃、宮城県北部を震源とする地震があった。これを受けて国土地理院においては、同日1時00分に「宮城県北部を震源とする地震」災害対策本部(本部長:国土地理院長)を設置した。
 これまでの国土地理院の対応は以下のとおりである。

1.地震の概要(震度5弱以上)

 (第1回目:前震)
 7月26日(土) 0時13分頃 M5.5
 震度6弱 宮城県 鳴瀬町、矢本町
 震度5強 宮城県 鹿島台町、南郷町
 震度5弱 宮城県 石巻市、松山町、田尻町、涌谷町、大郷町、河南町
 この地震による津波はなし
 (第2回目:本震)
 7月26日(土) 7時13分頃 M6.2
 震度6強 宮城県 南郷町、鳴瀬町、矢本町
 震度6弱 宮城県 涌谷町、河南町、小牛田町、桃生町、鹿島台町
 震度5強 宮城県 石巻市、松山町、田尻町、古川市、米山町
 震度5弱 宮城県 志波姫町、河北町、大郷町、一迫町、瀬峰町、高清水町、
          迫町、仙台市、三本木町、金成町
 この地震による津波はなし
 (第3回目:余震)
 7月26日(土)16時56分頃 M5.3
 震度6弱 宮城県 河南町
 震度5強 宮城県 涌谷町、南郷町
 震度5弱 宮城県 桃生町
 この地震による津波はなし

2.災害対策本部等

 1)災害対策本部
 7月26日(土) 1時00分 「宮城県北部を震源とする地震」災害対策本部(本部長:国土地理院長)を設置。
 7月26日(土) 2時00分 第1回災害対策本部会議を開催。
 7月26日(土)10時00分 第2回災害対策本部会議を開催。
 7月26日(土)14時40分 第3回災害対策本部会議を開催。
 7月26日(土)18時50分 第4回災害対策本部会議を開催。
 7月28日(月)13時15分 第5回災害対策本部会議を開催。
 9月16日(火) 9時00分 第6回災害対策本部会議を開催。
 9月16日(火) 9時20分 災害対策本部廃止。
 2)現地連絡本部
 7月26日(土) 1時00分 東北地方測量部に現地連絡本部を設置。
 7月26日(土)13時00分 電子基準点「矢本」の現地調査を実施。
 7月27日(日) 9時25分 東北大と合同による地すべり現地調査を実施。
 7月27日(日)10時30分 電子基準点「矢本」の傾斜測定を実施。
 9月16日(火) 9時20分 現地連絡本部廃止。

3.主な活動状況

 1)現地との連絡等
現地連絡本部等との連絡を確保し、情報を収集。職員の安全は確認済み。
 2)GPS連続観測による地殻変動の監視
 7月26日(土)震源を中心にした電子基準点15点による地殻変動解析を実施。その後も電子基準点による地殻変動の監視を継続して実施。
 3)地殻変動のモデル推定
 7月26日(土)電子基準点データに基づく震源断層モデルの推定を実施。
 8月18日(月)電子基準点、水準測量、GPS測量などで得られた地殻変動データから、さらに正確な震源断層モデルの推定を行い、第153回地震予知連絡会で報告。
 4)地震調査委員会への対応
 7月26日(土)第115回地震調査委員会に出席。
 8月 7日(木)第116回地震調査委員会に出席。
 9月10日(水)第117回地震調査委員会に出席。
 5)被害状況分布図等の作成
 7月26日(土)斜面崩壊、堤防損傷、建物破損等の被害分布を調査し、ホームページに掲載するとともに内閣府、本省等関係機関に配布。
 8月25日(月)地形と被害との関係調査の結果を「被害状況図」及び「宮城県北部地震災害緊急調査報告」として取りまとめるとともに、東北地方測量部へ配布。
 6)地形図等の編集、配布
在庫確認実施済。
 7月26日(土)被害地域を網羅した地域の2.5万分の一地形図を編集・プリントし、関係機関に配布。
(配布先:内閣官房安全保障・危機管理担当、内閣府防災担当、本省災害対策室、技術調査課)
 7月27日(日)上記地形図を、東北地方測量部から県庁危機管理課、東北地方整備局、陸上自衛隊等に配布。
 7月29日(火)震源地付近の旭山撓曲の位置と断層の形態図を、東北地方測量部から東北地方整備局、県庁危機管理課、陸上自衛隊等に配布。
 7)記者発表等
 7月26日(土)10時00分 「7月26日午前0時13分頃の宮城県北部の地震に伴う地殻変動」
 7月26日(土)18時30分 「7月26日午前7時13分頃の宮城県北部の地震に伴う地殻変動と現地調査について」
 7月26日(土)20時15分 「2003年7月26日午前7時13分頃の宮城県北部の地震の地殻変動から推定した地震断層モデルについて」
 7月28日(月)18時00分 「7月26日の宮城県北部の地震に伴う地殻変動(第3報)」
 8月 6日(水)16時00分 気象庁との合同記者発表「平成15年6月~7月の地殻変動」において、地殻変動から求めた断層モデル等を発表。
 8月18日(月)14時00分 「2003年7月26日宮城県北部の地震に伴う三角点・水準点の再測量結果について-地震による大きな変動を把握-」
 8月18日(月) 第153回地震予知連絡会及び9月8日(月)気象庁との合同記者発表
「平成15年7月~8月の地殻変動」において以下の項目を発表。
 「仙台市~石巻市間の上下変動」
 「緊急に実施したGPS測量により検出した地殻変動」
 「干渉SARで検出された2003年7月26日の宮城県北部の地震に伴う地殻変動」
 「7月26日7時13分頃 宮城県北部の地震の断層モデル-A(暫定)」
 「推定された断層(モデル-A)周辺での水平変動及び模式図」
 8)現地調査等
 7月28日(月)~ 8月15日(金)仙台~鮎川験潮場間の水準測量を実施。
 7月30日(水)~ 8月 1日(金)電子基準点の稼動状況等の現況確認を実施。
 7月30日(水)~ 8月 2日(土)被害状況の把握及び地形と被害の関係調査を実施。
 8月 4日(月)~ 8月 8日(金)牡鹿地区の地殻変動観測点、三角点の緊急測量を実施。
 9)その他の動向
 7月26日(土) 3時00分頃 震源を記載した1/2.5万及び1/20万地形図を、内閣府、本省技術調査課及び本省災害対策室にFAX送付。
 7月26日(土) 8時30分頃 00:13頃発生した地震に関するGPS連続観測結果を、内閣府、本省技術調査課、本省災害対策室及び東北地方測量部にFAX送付。
 7月26日(土) 記者発表の内容等関連事項を国土地理院ホームページに掲載。
 9月 5日(金) 「宮城県北部地震緊急調査報告」をホームページに掲載。
 9月 8日(月) 各部業務連絡会において、今回の地震に関する対応等について、地理調査部及び東北地方測量部より報告。