宮城県北部地震災害緊急調査報告

平成15年7月26日に発生した、宮城県北部を震源とする地震災害に際し、国土地理院地理調査部と東北地方測量部(仙台市)は合同で緊急災害調査を実施しました。調査は、特に被害が顕著だった矢本町、河南町、南郷町を中心に実施し調査結果をとりまとめました。

地震概要

26日に3度にわたって発生した地震は、0時13分頃に矢本町、鳴瀬町で震度6弱(M5.5)、7時13分頃に矢本町、南郷町、鳴瀬町で震度6強(M6.2)、16時56分頃に河南町で震度6弱(M5.4)を観測した。この地震により各地で建物被害、斜面崩壊、堤防破損等大きな被害が発生した。

調査目的

地震発生直後の旭山撓曲周辺の地形変状と災害把握、地形や地盤と災害との関係について調査し、震災復興等の防災対策に役立たせるための基礎的な資料の提供を行う。

調査方法

地形図、土地条件図、空中写真等の資料を基に、
 ・旭山撓曲周辺地域における地形変状、道路の亀裂、建物等の被害状況
 ・砂州・砂堆、盛土地等地形・地盤条件の違いによる建物等の被害状況
 ・液状化・噴砂の位置と状況
を現地調査するとともに可能な限り聞き取り調査を行った。
宮城県北部地震現地調査箇所及び経路図(JPEG:176KB)

調査地域の地形概要

今回の調査地域は、主に旭山丘陵地域と矢本・石巻海岸低地にあたる。
旭山丘陵地域は、江合川の南に南北に細長くつらなる丘陵の主要部と、ここから東方約4km地点にある分離丘陵からなる。丘陵の主要部は旭山(173m)を頂点とするが、大半の高度は40~100mからなる。
旭山の東側に南北につながる東落ちの急斜面があり、旭山撓曲と呼ばれている。
地質は砂岩及び礫岩などからなる。
矢本・石巻海岸低地は、矢本海岸から内陸に約10kmの広淵沼干拓地までの間の海岸平野で、6列の砂州・砂堆が東西方向に明瞭に配置されている。低地の標高は2.5m以下を示し、2m以上の部分は砂州・砂堆からなる。(土地条件調査報告書 昭和43年3月 国土地理院より)

問い合わせ先

国土交通省国土地理院地理調査部防災地理課
〒305-0811 茨城県つくば市北郷一番
TEL 029-864-1111(代表)
E-mail disaster@gsi.go.jp