15.その他の動向

平成13年  
その他の動向
 11月 1日(木)      三宅島島内作業におけるカテゴリー区分の見直しを発表。
             (東京都災害対策本部、政府非常災害対策本部)
 10月22日(月)      引き続き三宅島の火山活動は全体として低下途上にあり、山麗に災害を起こすような規模の大きな噴火の可能性を示す観測結果は得られていないとの見解が示された。
               (火山噴火予知連絡会)
 5月28日(月)      臨時火山情報第2号
 三宅島の火山活動に関する火山噴火予知連絡会統一見解
 依然として、多量の火山ガスを山頂火口から放出する火山活動が続いている。
 昨年10月以降、三宅島では、白色の噴煙が連続的に噴出されてきた。3月19日及び5月27日には小規模な噴火があり、一時的に火山灰の放出が見られた。しかし、それらを除き降灰はほとんど認められない。
 上空からの目視観測による噴煙量は、昨年に比べ低下傾向が見えますが、4月以降わずかに増減がある。
 山頂火口からの二酸化硫黄の放出量も、昨年に比べて低下しているが、1日あたり約2~3万トン程度の高い値を保持している。三宅島の収縮を示す地殻変動は、次第に鈍化してきている。収縮はマグマからの火山ガスの放出による体積変化に対応するという考えが、有力になってきました。
 昨年9月以降、火山性地震の回数は少ない状態が続いてきたが、3月以降、時折振幅のやや大きな低周波地震や微動が発生し、空振を伴うものも発生している。
 また、3月から4月にかけて火口直下の温度低下を示すとも考えられる全磁力変化が観測された。
 以上のように、三宅島の火山ガスの放出活動は低下の兆しが現れていると考えられる。火山ガス放出量の低下により、火口直下の温度が下がり、火道の一部が閉や解放を繰り返して、火山灰の噴出、低周波地震、火山性微動が発生していると考えられる。
 今後も、火道の部分的な閉等によって、小規模な噴火が発生する可能性がある。しかし、脱ガスの進行によって火山の活動は全体としては低下傾向にあり、山麗に影響するような大きな規模の噴火の可能性は低いと考えられる。
 火山ガスの放出には若干の低下傾向が見られるものの、放出量は現在も依然として高く、このような活動は今後も続くと考えられるので、引き続き火山ガスに対する警戒が必要。また、雨による泥流にも引き続き注意が必要。
               (火山噴火予知連絡会統一見解)
 5月21日(月)      三宅島から新島、神津島にかけて2000年6月末より続いてきた活発な地震活動は次第に落ち着いてきたが、2001年4月以降にやや活発化している(気象庁資料)。一方、神津島島内で行われた水準測量結果により、2000年1月から2000年4月の間に、南へ向かって傾き上がる7cmの上下変動が検出された。潮位観測結果を加味すると19~25cmの隆起となり、モデルにより計算される地殻変動と整合的な結果である。
               (第143回地震予知連絡会)
 3月14日(水)      2月13日に、新島・神津島近海(式根島の西約5km)の深さ約10kmで、M3.9の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。この地震は、三宅島付近から新島・神津島付近にかけて低調ながら続いている地震活動の一つである。この地震の発生後においても当該地震活動に大きな変化は見られていない。また、この付近のGPS観測にも変化は見られず、まだ完全な停止にまでは至っていない。
               (地震調査研究推進本部地震調査委員会)
 2月19日(月)      2000年6月末から始まった地震活動は、現在ほぼ収まっており、ここ3ヶ月間では、M4以上の地震は殆どみられない。しかしながら、回数積算図から現在の地震発生頻度は2000年伊豆諸島地震前の活動と比べてまだ活発である事が報告された。
 また、三宅、神津島地域の地下速度分布を基にして再決定された地震分布によると、2000年伊豆諸島の地震活動は堆積層より下の深さ5km以深の領域で発生していた事が示された。
 また、国土地理院のGPS観測結果では、ここ3ヶ月間の地殻変動で新島、神津島間が開く傾向が小さいながらまだ継続していることが示された。
 伊豆東方沖では、地震活動は1998年の活動を最後に落ち着いた状態が続いている。
               (第141回地震予知連絡会)
 2月14日(水)      三宅島付近から新島・神津島付近にかけての6月末からの地震活動は、1月3日に三宅島南南西約25kmでM3.6の地震が発生するなど、低調ながら続いている。また、GPS観測における変化も、まだ完全な停止にまで至っていない。2月13日に、新島・神津島近海(式根島の西約4km)のごく浅いところで、M3.9の地震が発生し、震度5弱を観測した。三宅島付近から新島・神津島付近にかけて低調ながら続いている地震活動の一つであり、この地震の発生後に地震活動に大きな変化は見られない。
               (地震調査研究推進本部地震調査委員会)
 2月 5日(月)19時40分  臨時火山情報 第1号
 三宅島では、多量の火山ガスを山頂火口から放出する火山活動が続いています。10月以降は、噴煙が連続的に噴出されているものの、顕著な噴火は発生していません。7月に始まった三宅島の収縮を示す地殻変動は鈍化しましたが、わずかながら続いています。火山ガス中の二酸化硫黄の起源は、大部分がマグマからの脱ガスによるものと考えられます。多量の火山ガスを放出する活動は今後も続くと考えられますので、火山ガスに対する警戒が必要です。また、雨による泥流にも注意が必要です。
               (火山噴火予知連絡会統一見解)
 1月10日(水)      三宅島付近から新島・神津島付近にかけての6月末からの地震活動は、12月6日に神津島北側でM3.8の地震が発生するなど、神津島から三宅島間を中心に低調ながら続いている。また、地殻変動の変化も、ほぼ停止しているものの、完全な停止までは至っていない。
               (地震調査研究推進本部地震調査委員会)
平成12年  
 12月13日(水)      6月26日に、三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動は、11月9日に神津島東方約10kmでM3.5の地震が発生したものの、10月より更に低調となった。また、地殻変動についてもその変化は、引き続きほぼ停止している。
               (地震調査研究推進本部地震調査委員会)
 11月24日(金)      6月から始まった地殻活動は、ほぼ収まっている。海底地震計のデータを加えた震源決定により、深い震源ほど直線上に並ぶ狭い地域に集中していることが示された。今回の活動で三宅島北西沖から神津島の東方沖までのダイクが貫入したとされる活動域は、1962年の三宅島の火山活動に伴う地殻活動の震源域の北西側に連なるもので、その時の活動があったことが今回のダイク貫入が速やかに起こったことにつながったというモデルが示された。
              (第140回地震予知連絡会)
 11月 8日(水)      地震活動は、10月3日に三宅島西方10kmでM4.4、10月31日に新島西方10kmでM4.7の地震があったものの、9月よりも更に低調となった。
また、地殻変動についても、9月同様、その変化はほぼ停止している。
              (地震調査研究推進本部地震調査委員会)
 11月 1日(水)19時20分  臨時火山情報 第20号
 観測結果では、顕著な地震活動や地殻変動を伴わずにマグマからの脱ガスが続いており、火山の地下の状態がほぼ安定していることを示すと考えられます。このような脱ガス状態が続く限り、山麓に噴石や火砕流を出すような爆発的噴火が発生する可能性は低いと考えられます。
 当面は、現在のような多量の火山ガスを放出する活動が続くと考えられますので、火山ガスに対する警戒が必要です。また、雨による泥流にも注意が必要です。
              (火山噴火予知連絡会統一見解)
 10月11日(水)      地震活動は、9月に入ってから全体として低調になった。GPS観測の結果では、局地的な地殻変動も含めてほぼ停止した。以上のことから6月末から始まった一連の地震活動はほぼ収まったと考えられる。
              (地震調査推進本部地震調査委員会)
 10月 6日(金)18時50分  臨時火山情報第19号
 火山活動のメカニズム解明、今後の噴火活動の推移を監視するため、火山ガスや噴煙、地殻変動地震活動等の観測を強化する必要があります。
 当面は、大量の火山ガスを放出活動が続くと考えられますので、火山ガスに対する警戒が必要です。
               (火山噴火予知連絡会の検討結果)
 9月13日(水)      地震活動及び地殻変動ともに活動が低調となったことから、今後もM5前後の地震の発生は否定できないものの、地震活動は収まりつつあると考えられる。
 なお、三宅島島内については、火山活動に関する地殻変動が続いている。
              (地震調査推進本部地震調査委員会)
 9月 1日(金)      東京都対策本部は、三宅村の要請に基づき、防災関係者及びライフライン関係者を除き、島外に避難させることを決定した。
              (村長指示)
 8月31日(木)21時45分  臨時火山情報第18号
 当面は、8月18日及び29日と同程度かこれをやや上回る規模の噴火が繰り返される可能性があります。火砕流に警戒が必要です。特に、マグマが直接関与している場合は、将来、より強い火砕流になる可能性があります。
 噴石、泥流、火山ガスに対する注意が必要です。現段階では、山麓での噴火の可能性はありません。
               (火山噴火予知連絡会の検討結果)
 8月24日(木)22時05分  臨時火山情報第16号
 18日の噴火に伴う噴出物について検討を行いましたが、噴出物中 の多孔質岩塊が高温で新鮮なマグマから生じたものと断定できないと結論が得られました。継続している山体の収縮の原因は、マグマが引き続き西方へ流出しているものと考えられます。この間の噴火は、マグマや高温岩体と地下水との相互作用によって発生していると考えられますが、このような噴火はマグマの顕著な移動は伴わないことから、一般的には予測は難しいと考えられます。しかし、急速に反転する傾斜変動の推移、大規模な噴火前の火山性地震や微動、山頂から放出される水蒸気や火山ガス等の監視解析で予測できる場合もあると考えられることから、観測体制の強化を図ることが必要です。当面は、18日と同程度かこれをやや上回る程度の山頂噴火が繰り返される可能性があります。このような噴火が発生した場合、山麓へも噴石が落下する可能性があります。島内では噴石及び火山灰に引き続き注意が必要です。山麓での噴火の可能性はありません。
 また、雨による泥流にも注意が必要です。
               (火山噴火予知連絡会の検討結果)
 8月22日(火)      地震活動、地殻変動に従来と異なる傾向が見えてきたものの、地殻変動が継続している現状では、まだ比較的大きな地震が短時間にまとまって起こることも考えらる。また、同様にして、これまで発生したと同規模(最大でM6程度)の地震が起こり、発生場所によっては震度6弱になることも現時点では否定できない。しかし、従来と異なる傾向が見られ、バースト的な地震活動の発生間隔が長くなりながら地震活動が推移指定雲のと考えられる。
              (地震調査推進本部地震調査委員会)
 8月21日(火)20時00分   臨時火山情報第15号
 地震・地殻変動が続いていることから、今後も、18日と同程度かこれを上回る程度の噴火が繰り返される可能性があります。三宅島山頂では崩落に、島内では噴石及び火山灰に引き続き注意が必要です。山麓での噴火の可能性はありません。また、雨による泥流にも注意が必要です。
               (火山噴火予知連絡会の検討結果)
 8月 2日(水)      三宅島から新島・神津島付近にかけての地震活動及び地殻変動は、引き続き従来になく活発である。このため、この地域では引き続きM6.0以上の地震の発生も否定できない。また、M5程度の地震が、利島、新島、式根島、神津島及び三宅島のそれぞれの近傍で発生した場合は、強い揺れををもたらすことになる。
              (地震調査推進本部地震調査委員会)
 7月21日(金)      三宅島の火山活動について
 三宅島は、引き続き収縮傾向にあり、マグマは下がっていると考えられます。しかし、山頂直下の地震活動及び地殻変動が続いており、今後も山頂において水蒸気爆発が発生する可能性があります。三宅島山頂付近では噴石等に引き続き注意が必要ですが、山麓での噴火の可能性はありません。しかし、火山灰が山麓に降ることがありますので、注意が必要です。また、雨による泥流にも注意が必要です。
 新島・神津島付近の地震活動について
 三宅島の火山活動に伴う地震活動の西方海域への移動後、三宅島から新島・神津島付近の海域にかけての地域で、マグニチュード6クラスの地震を含む地震活動が続いています。
 神津島の東方海域では、その震源は北西ー南東方向に帯状に分布し、活発な地震活動が繰り返し発生しています。更に、神津島の東方海域を中心とするやや広域に及ぶ地殻変動が継続しています。これらの地域の地震活動及び地殻変動は、神津島の東方海域の地下での岩脈状マグマの活動に関連して発生していると考えられます。
 また、新島・神津島周辺の地殻変動はこのマグマ活動の影響を受けて発生している可能性があります。
 このマグマの活動は直ちに火山活動等の表面活動にはつながらないと考えられますが、今後とも、地震活動及び地殻変動等の観測により、注意深く監視していく必要があります。
             (火山噴火予知連絡会伊豆部会の検討結果)
 7月21日(金)      三宅島から新島・神津島付近にかけての地震活動及び地殻変動は、従来になく活発である。引き続きM6.0以上の地震の発生も否定できず、更に1~2週間、地震活動に注意していく必要がある。また、M5程度の地震が、利島、新島、式根島、神津島及び三宅島のそれぞれの近傍で発生した場合は、強い揺れををもたらすことになる。
             (地震調査推進本部地震調査委員会)
 7月14日(金)21時00分  三宅島では15時50分頃から16時50分頃にかけて、山頂火口で噴火があり、噴煙が1500m上がりました。また、火口周辺に噴石が放出され、風下の北東方向に降灰がありました。噴出物にはマグマ物質が認められていません。
 18時頃から再び噴火し、火山灰や噴石を噴出しています。
 今朝未明の噴火以降、地震は少ない状態が続き、地殻変動は収縮傾向にありました。噴火前に地震活動の活発化はなく、傾斜変化が一時的に反転する現象も見られませんでした。
 夕方の噴火は山頂火口地下で水蒸気爆発が起き、火山灰や噴石を放出したものと考えられます。
 今後も、山頂火口では噴火が発生する可能性があり、山頂付近では噴石等に引き続き注意が必要ですが、山麓での噴火の可能性はありません。しかし、風下の山麓には火山灰が降ることがあります。
              (火山噴火予知連絡会伊豆部会の検討結果)
 7月14日(金)12時50分  三宅島では8日の噴火以降、引き続き収縮傾向の地殻変動が続いています。しかし、1日に1~2回、山頂直下で地震活動が活発化した後、傾斜変化が反対方向に一時的に変化し、その後地震活動が低下するという現象が見られてきました。
 本日0時頃から地震が増加した後、2時12分頃に、傾斜変化が反対方向に一時的に変化する同様の現象が観測されました。その後、3時55分頃から微動振幅が増大し、4時14分頃、山頂から約1000mの噴煙が確認されました。6時8分頃には1500mの高さとなり、その後も噴煙は断続的に噴出しました。火山灰は主として風下方向の北東部に降り、硫黄臭も認められました。8日の噴出物に比べ、細粒物質が多いもののマグマ物質は確認されていません。
 このことから今回の噴火は、8日の陥没口の地下で崩落が起こり多量の火山灰を噴出したものと考えられます。
 現在も山頂直下の地震活動及び地殻変動が続いていることから、今後も同様の噴火現象が発生する可能性があります。
 当面、山頂付近では引き続き注意が必要ですが、山麓での噴火の可能性はありません。しかし、風下の山麓には火山灰が降ることがあります。
                  (火山噴火予知連絡会伊豆部会の検討結果)
 7月14日(金) 6時45分  臨時火山情報 第12号
 三宅島雄山では、本日4時14分頃噴火し、現在も続いています。噴煙の高さは火口から約1500m、噴煙の色は灰色、少量で北東に流れています。
 7月10日(金)20時30分  6月29日までの三宅島の火山活動については、火山噴火予知連絡会(伊豆部会)コメントのとおりです。
 その後、7月4日頃から山頂直下で地震が観測されはじめ、7月5日には、山麓に影響を及ぼすものではないが、山頂部での活動に注意を要する状態となりました。
 山頂直下の地震は、8日にはさらに増加し、昼頃からは微動も次第に大きくなりました。また、地殻変動は、6月末から三宅島が収縮する方向で変化が継続していましたが、8日からその変化が加速し、同日18時41分頃に山頂で噴煙が上がりました。噴煙は、高さ800mに達しましたが、10程でなくなりました。
 9日の現地調査で、山頂カルデラ内に直径約1000m、深さ約200mの陥没孔が確認されました。噴出物の量は、陥没した体積に比べ非常に少なく、マグマ物質は認められませんでした。
 このことから、今回の山頂の陥没は、初期に貫入したマグマの移動等に関連し、地下に存在していた空隙へ、カルデラ底が崩壊したことによるものと考えられます。
 現在も山頂直下の地震活動および地殻変動が続いていることから、今後も噴煙や噴石をともなう山頂カルデラの陥没現象が引き続き発生するかも知れません。
 当面、山頂付近では引き続き注意が必要ですが、山麓に影響を及ぼすことはないと考えられます。                  (火山噴火予知連絡会の検討結果)
 7月 8日(土)23時20分  臨時火山情報 第11号
 三宅島では、18時41分頃山頂で噴火がありました。視観測によれば、噴煙が高さ800mに達しましたが、18時50分頃には殆ど見えなくなりました。島の東部に少量の降灰が ありました。また、島内を震源とするM5程度の低周波地震がありました。
 7月4日頃から山頂部の地下数kmで地震が増加し、本日はさらに増加しました。本日昼前から微動が次第に大きくなりましたが、噴火終了頃の19時前には小さくなりました。6月末から島が収縮する方向の地殻変動が続いていましたが、本日は同じ傾向で加速しました。
 噴火後、地震は減少しましたが、地殻変動は同じ傾向で続いています。山頂部の地震と地殻変動が継続していることから、今後も山頂で噴火が発生する可能性があります。このため、現段階では、山頂付近では注意が必要ですが、山麓へ影響を及ぼすことはないと考えられます。
 なお、山腹噴火を示唆するデータはありません。
                  (火山噴火予知連絡会伊豆部会)
 7月 8日(土)19時25分  臨時火山情報 第10号
 三宅島の山頂からの火山灰の噴出を確認しました。噴煙の高さは火口から800m、噴煙の色は白灰色、少量で北東に流れています。
 現在までのところ、火山灰の噴出は1回のみです。
 7月 8日(土)18時55分  臨時火山情報 第9号
 三宅島雄山では、18時43分頃火山灰の噴出が確認されました。
 7月 2日(日)      地震活動は、当初三宅島の火山活動に伴って三宅島西部地域から 始まり、その後、活動域は三宅島の西方の海域に移動し、活発な活動が続いている。一方、これらの地殻活動とは別に、神津島の北部沿岸でM5.2の地震が発生し、震源地付近で震度5弱を観測した。
 三宅島西方海岸の地震活動は、29日以降はさらに北西に移動し、神津島の東方約10kmの海域でさらに活動を続けた。一方、神津島付近の散発的な地震活動は30日午後までにはほぼ収まった。
 7月1日16時2分頃、神津島の東方約5kmでM6.4の地震が発生し、神津島で震度6弱、新島で震度5弱を観測した。この地震の発震機構は、北西ー南東方向に圧力軸を持つ横ずれ型であり、この地域の標準的なものであった。また、概ね東西方向に余震が並ぶことから、この地震を起こした断層は、東西方向の右横ずれ断層と考えられる。
 GPS観測においては、式根島では南東向きの変動、神津島では南西向きの変動が観測された。なお、神津島の傾斜観測においては、28日以降、北西下がりの傾斜変動が観測された。
 今回の地震は、6月29日に発生したM5.2の地震と同様に、三宅島の火山活動が地殻に及ぼした力によって誘発された可能性があると考えられる。三宅島周辺海域では1962年の三宅島の火山活動に際して、M5.9及び5.8の地震を含む活発な活動が三宅島西方海域で一週間続き、その後1ヶ月程度で活動が収まった。今回の活動は、1962年の活動に近いが、現在の地震の活動域は新島・神津島の近隣であることから、M5程度の地震でも強い揺れをもたらすこととなるので、今後暫くの間、新島・神津島近海について活動の推移を見守る必要がある。
                 (地震調査推進本部地震調査委員会)
 7月 2日(日) 8時00分  土木研究所急傾斜地崩壊研究室長他7名を派遣(建設省:7月1日時点予定)
 7月 1日(土)22時00分  官邸対策室を官邸連絡室に改組(官邸危機管理センター)
 7月 1日(土)22時00分  第2回政府関係省庁連絡会議開催
 7月 1日(土)18時30分  第1回災害対策関係省庁連絡会議開催(国土庁)
 7月 1日(土)17時20分  緊急参集チーム会議(官邸危機管理センター)
 7月 1日(土)17時10分  災害対策用ヘリ「あおぞら」現地調査飛行出動(建設省)
 7月1日(土)16時08分  官邸対策室を設置(官邸危機管理センター)
 6月29日(木)21時00分  地震調査委員会開催、地理地殻活動研究センター長、専門調査官が出席
 6月29日(木)18時00分  臨時火山情報第8号
 三宅島の傾斜計及びGPS観測によれば、地殻変動は昨日までの傾向が続いていますが、その変化はさらに鈍化しています。このことから、西方海域におけるマグマの供給と岩脈の拡大は、停止しつつあると考えられます。以上のように、火山活動は低下しつつあり、今後、陸域及び海面に影響を及ぼす噴火の可能性はほとんどなくなったと考えられます。なお、西方海域での地震活動はしばらく活発に続くと考えられることから、地震活動に対する注意が必要です。
 (火山噴火予知連絡会伊豆部会)
 6月28日(水)17時45分  臨時火山情報第7号
 三宅島の火山活動にともなう、地震の震源は、西方海域に集中しており、島内での地震は発生していない。傾斜計及びGPS観測による地殻変動の変化は、基本的には昨日同様、西側での南北の伸び、東側での収縮を示しているが、その変化は鈍化している。震源分布及びこれらの地殻変動デ-タから見ると、マグマ活動の中心は西方海域に移っており、マグマの供給と岩脈の拡大は、鈍化している。地震活動は、西方海域で消長を繰り返しつつ活発な活動が続いている。以上のことから、西方海域での火山活動に対しては今しばらく警戒が必要である。また、沿岸西海岸付近では、噴火の可能性は、現時点では完全には否定できない。なお、島の東部及び山頂付近での噴火の可能性はないと考えている。今後、海域での地震活動はしばらく継続することから、地震活動に対する注意が必要である。
                (火山噴火予知連絡会伊豆部会)
 6月27日(火)17時30分  臨時火山情報第6号
 傾斜計の変化は鈍化。GPS観測では引き続き島の西側での南北の伸び、東側での収縮が継続。震源分布、地殻変動データから見ると、マグマは西方に移動してるが、海岸付近では岩脈の拡大を続けていると考えられる。
 今朝の西方沖の変色水は移動中のマグマから小規模な海底噴火があったことを示唆。航空観測によれば変色水は14時頃を最後に認められなくなった。
 マグマの活動域は西方海域に中心を移しつつあるが、海岸付近での噴火の可能性は依然として残されている。島の東部での噴火の可能性は極めて低い。西海岸付近から海域での噴火にしばらくは警戒が必要である。
 6月27日(火)11時30分  臨時火山情報第5号
 震源分布及び傾斜計・GPSデータから見るとマグマは昨夜西山腹に貫入し、本日になって西方海域の地下に移動したと考えられる。
 また、西海岸の西方約1km沖で海面に変色水が認められた。
 既に海底で噴火した可能性があり、今後噴火が活発化して水深が浅い所で噴火した場合には強い爆発になる可能性もある。なお、西山腹での噴火についても否定できない。
 今後も警戒が必要である。   (火山噴火予知連絡会伊豆部会)
 6月27日(火)10時00分  第2回災害対策関係省庁連絡会議開催、企画部研究企画官が出席
 6月27日(火) 0時20分  臨時火山情報第4号
 震源分布及び傾斜計データによればマグマは山頂の西方から南西方向の山腹に貫入していると考えられる。
 山頂西方から南西方向の地域では噴火に対し警戒が必要である。
                (火山噴火予知連絡会伊豆部会)
 6月26日(月)22時30分  臨時火山情報第3号
 6月26日(月)22時00分  第1回災害対策関係省庁連絡会議開催
 6月26日(月)21時 5分  地震情報(地震回数に関する情報)
 6月26日(月)20時00分  臨時火山情報第2号
 6月26日(月)19時33分  緊急火山情報第1号
 6月26日(月)19時30分  臨時火山情報第1号