三宅島・雄山の火口を合成開口レーダにより観測

 三宅島の火山活動に伴い陥没した雄山火口部について、国土地理院所有の航空機搭載型合成開口レーダ(以下、航空機SAR)を用いて、平成12年9月28日及び平成13年1月16日に観測を実施しました(観測高度 4,250m、オフナディア角55度(※)、火口中心から水平距離4km、8km)。航空機SARは電磁波(マイクロ波)を航空機から飛行方向左斜め下に照射して、地表の散乱強度を観測するもので、通常の航空写真と比べて、夜間や雲下・噴煙下でも地表の状況を把握することが可能です。
 解析処理は地上分解能1.5mで行っていますが、表示画像は6m分解能で表示されています。

平成12年9月28日観測
 (国土地理院、日本電気株式会社、本田航空株式会社の共同観測)
 SAR画像1は火口中心から4km離れた距離から、SAR画像2は火口中心から8km離れた距離からそれぞれ東西南北4方向より観測した画像です。  SAR画像3は、三宅島「全島SAR画像」、「火口周辺DEM画像」及び「火口周辺オルソ画像」です。
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| SAR画像1 | SAR画像2 | SAR画像3 |

平成13年1月16日観測
 SAR画像4は火口中心から4km離れた距離から、SAR画像5は火口中心から8km離れた距離からそれぞれ東西南北4方向より観測した画像です。
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| SAR画像4 | SAR画像5 |


 なお、航空機SARは、斜めから電磁波を照射するため、照射側の火口壁の部分は影となり観測できません。画像でもその部分は黒くなっています。また、SAR画像には、標高の高い部分が照射側に倒れ込むフォア・ショートニングという現象があり、画像を判読するにはその様なSAR画像の特質に注意する必要があります。
用語解説:オフナディア角とは鉛直方向からのマイクロ波の照射する角度です。

航空機SAR観測のイメージ図
図:SAR観測概念図