合成開口レーダによる経過観測

浅間山の火山活動(平成16年9月1日噴火)に伴う経過観測のため、国土地理院所有の航空機搭載型合成開口レーダ(以下、「航空機SAR」という。)を用いて、平成16年度の3回(9月16日、10月22日、12月15日)に続いて、前回のほぼ1年後の平成18年1月11日に観測を実施した。

SAR画像による火口底の状況

ほぼ1年前の前回観測(平成16年12月15日)と比較すると、火口の南部では識別可能な岩塊の位置が同じであり、前回観測から目立った変化は見られない。


火口底内部の地形変化

航空機SARの観測結果から生成したデジタル標高モデル(DEM)をもとに火口底内部の等高線を発生さて、この結果を段彩図として表現した。この等高線をもとに火口断面図(北北東-南南西方向)を作成し、地形断面を比較した。これらの段彩図や断面図を比較したところ、約1年前の観測時よりわずかに低くなる傾向が見られる。


浅間山の山頂付近の陰影図

これまでの観測で得られたデジタル標高モデル(DEM)の格子点データからGISを用いて3次元地表面モデルを生成し陰影図を作成した。この陰影図では、火口底の地形変化の様子が良くわかる。しかし、航空機SAR観測時における影のためデータが欠落した部分や各観測方向からのデータ接合部分で、データが十分でないため不自然さが残っている。